2016/03/15

ゴッホの手紙


数日前に届いた、ゴッホの全作品集を見ていたら、去年、精霊の森で描いたものと、よく似た構図の絵を発見して、胸がときめいた。他の人から見たら、ただのこじつけでも、共時性を感じる自由は、この胸にある。1887年夏のパリにいた彼と、火傷するほど近い距離まで、魂が触れたような気がした。

共時性(シンクロニティ)が起こるときは、その流れに大いなる力が働いてるような気がして、勇気が沸いてくる。樹齢800年の大楠のうつほから、小さなつむじ風が耳の下に宿って、それからゴッホが気になった。彼の魂がこの森にいたことを、森羅万象が霊験を通して、気づかせようとしたのだと思う。

インスピレーションとは、対象(モチーフ)へのまなざしを通して、宇宙から人間に向かって、おしなべて平等に流れてくる、霊気のようなものだろうと思う。だからオリジナリティなんて、ほんとうは何処にもない。でもそのなにもない無明の宇宙に、星の火が流れることがある。その炎が、現実を揺らす。

人工衛星の破片が、火の鳥のように、空を流れるのを、見たことがある。ちょうどそんなふうに、身を焼かれながら、その黄金の光に包まれて、時間を超えていく。



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